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OCD(強迫性障害)を持つ人向けのオフィスとは

4月26日
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人は時に精神的な悩みを抱えることがあります。こうした悩みは、その人が「普通に」行動するのを妨げる場合、メンタルヘルス障害と呼ばれます。メンタルヘルス障害は気分や思考、行動に影響をおよぼします。メンタルヘルスの問題は、病気に苦しむ当事者だけでなく、その周囲の人々の生活の質にも大きな影響を与えます。メンタルヘルス障害には、摂食障害、不安障害、依存症、うつ病などがあります。この記事では、OCD(強迫性障害)に焦点を当て、この病気に苦しむ人々へ職場で対応する場合に必要な配慮についてお話しします。

 

それでは始めましょう。

 

職場におけるOCD認識の重要性

 

OCDは、患者の過剰な思考が反復的な行動として現れる精神疾患で、強迫性障害と呼ばれます。この症状と、完璧さや秩序、整理された状態を極端に求めることを特徴とする強迫性パーソナリティ障害と混同しないように気をつける必要があります。

 

ODCは世界中で、障害と排除を生み出す、一般的な20の原因のひとつとされています。WHOによると、15歳から44歳までの年齢層の人々が罹患しているといいます。また、アメリカだけでも成人の4人にひとりがこの症状に苦しんでいると推定されています。

 

OCDの症状は、普通の生活を送ろうとしている人々にとっては非常に困難なものです。たとえば無意味なことに執着したり、世間的に無意味に思える儀式的なことにこだわったりなどです。また、OCDに苦しむ人々は、過度な恐怖心や不合理な疑いを抱いたり、自分への攻撃性を示したり、望ましくない思考にとらわれるなどの症状に悩まされがちです。

 

OCDに苦しむ人々はまた、同僚などの周囲の人々から、その症状は注意を引きたがっているからだとか、本人のだらしなさや鈍さが表れているだけだと見なされてしまう場合もあります。けれど、OCDを発症している人々は、果たして充実したキャリアを送ることはできないのでしょうか?

 

それは、企業やその従業員がメンタルヘルスの問題をどれだけ認識しているかにかかっています。OCDへの理解不足は、企業の経営陣が従業員のニーズに対して無頓着になる状況を生みます。そのため、OCDに苦しむ従業員は、仕事をより良く行うために必要な手助けやサポートを求めることが難しくなるのです。

 

OCDの症例数も多い上に、報告されていないケースもあることを考えると、そろそろ私たちがその認識を広めるべき時が来たのではないでしょうか。それによって、有能でありながら症状の影響を受けている従業員が、素晴らしいキャリアを歩んでいくチャンスを逃すことがなくなるはずです。

 

OCDを持つ従業員のためのシンプルな家具選びとは?

 

OCDを持つ人々に配慮した職場環境を整えるためのフレームワークづくりとその実践は、あなたが考えているよりもずっと簡単なものです。OCDの症状が現れる兆候や、患者の性格の癖を理解することから始まります。ここからは、OCDの症状が現れる最も一般的なきっかけとその解決策についてお話しします。

 

同じことを何度も確認する強迫観念

 

鳩の迷信(何かをしなかったり繰り返してしないと悲惨な結果を招くという迷信)は、OCDを発症している人に最もよく見られる兆候のひとつです。OCDの人々の中には、あるタスクについて、自分が信じる「正しいこと」に合致するまで何度でもやり直さなければならないという強迫観念を持つ人もいます。

 

こうした強迫的な行動を回避、または軽減するために最適な方法は、タスクを詳細にスケジューリングすることです。強迫的な行動としっかりと向き合うための時間があれば、重要な仕事の締め切りについて心配する必要がなくなります。

 

また、共同でプロジェクトに取り組むことにも効果があります。上司は進捗状況を把握することで、自信を喪失した従業員に対し、ただ同じ作業をくり返すのではなく次のステップへ進むようにうながすことができます。

 

また、必ずしも実現可能とは言えないかも知れませんが、OCDを持つ従業員には、継続的もしくは抽象的な成果物ではなく、明確な目的や具体的な目標のあるプロジェクトを任せる方が現実的かも知れません。そうすれば、上司は目標が達成された時点でプロジェクトを終了させて、従業員が特定の要素に執着し続ける機会をなくすことができます。

 

極彩色や過剰な装飾、雑然としたデスクトップ

 

OCDを持つ人々は、整然として左右対称であるような状態を求めます。何気なく使われる潔癖主義という言葉がそのひとつです。何の問題もないように聞こえますが、OCDを持つ人々にとって、無秩序で対称性のない状況は極度の不安やストレスを引き起こし、場合によってはうつ病を発症する引き金になりかねないのです。もしOCDを持つ人が、秩序を乱すものがある部屋に留まっていなければならないとしたら、その強迫観念のせいで仕事がはかどらないようになるでしょう。

 

OCDを持つ人々に配慮するためには、職場の内装をミニマムにして、できればモノトーンにすると良いでしょう。彼らがこだわってしまうようなバリエーションは最小限にします。家具は同じスタイルを採用し、大理石のデスクトップなどのエッジの効いたデザインは避け、長方形(つまり、均一)のデスクトップなどの従来通りのスタイルにして、嘲笑的なアート作品なども控えるようにします。

 

最も重要なことは、クリーンデスクポリシーを取り入れることです。これは、個人のデスクやワークスペースに雑然とファイルや文房具や、または何か目新しい物を置かないということです。

 

十分な収納を備えたデスクは、仕事場を清潔に秩序のある状態に保つために役立ちます。デスクトップを整理整頓し、収納ラックを使用することでさら強化できます。これにより、OCDを持つ人々は、自分のデスクや同僚のワークスペースに通常ではないファイルがあったり、デスクトップが雑然としているという状態を目にすることがなくなります。

 

日常的な習慣を破ることができない

 

OCDを持つ人々は、強迫観念をコントロールするために、日常的な習慣を守ることに頼っています。こうした人々は非常に高い集中力をすぐさま発揮することができますが、そこからなかなか抜け出すことが出来ないため、何時間も身体を動かさない状態になりがちです。もし座りっぱなしでその状態になれば、背中への問題や、身体の他の部分に痛みを引き起こす可能性があります。

 

こうした状況を回避するための方法のひとつは、OCDを持つ人々を特別なプロジェクトの際に他の人とグループにすることです。そうすることで、彼らは一日の仕事のスケジュールに柔軟性を持たせることができるようになります。また、エネルギーレベルを向上させるために休憩を取るようにうながすのも良いでしょう。

 

さらに、エアロバイクのようなトレーニング機器を導入することもお勧めです。そうすれば、日常の習慣から抜け出せないという状況を、身体の健康にとってプラスな状況へと作り変えることができます。

 

強迫観念を引き起こすものを避ける

 

OCDを持つ人々は、強迫観念の引き金となる状況を避けることで自分の状況に対処することがよくあります。彼らが避けようとする状況には、未解決のままになっている事柄や、解決策が無限にある問題などです。彼らにとっての停止ボタンや一時停止ボタンを認識するために、物事を数値化しましょう。たとえば、OCDを持つ人々に、忘年会をするのに良い場所をいろいろ探すよう依頼することは、彼らを地獄に放り込むようなものです。

 

これはどうしてでしょう?なぜなら、この街にはおそらく非常に多くの「良い場所」があるからです。彼らにとって、9000もある候補から、どれがより適切かを考えることなく何気なく1か所に、もしくは5か所であっても、絞ることは困難なのです。そこで、たとえば「32キロメートルの範囲内で、最大50人を収容し、深夜まで営業していて、63000円の予算範囲内でシーフードを提供する店を10軒、候補にあげて」などと、指示は詳細かつ正確である必要があります。

 

このような正確なタスクであれば考えるべき事項が減るため、強迫観念の引き金になる可能性が低くなります。

 

OCDを持つ人々をサポートする際に避けるべきこととは?

 

ここまでは、オフィスでOCDを持つ人々をサポートする際に「やること」を見てきました。こうしたヒントを参考にすることで、同僚がより快適にオフィスで過ごせるようになります。けれど、OCDを持つ人々が大きく前に進んだ後で、また後退させてしまうような場合も起こりうるのです。ここからは、彼らをサポートする際に「避けること」についてお話しします。

 

不確実なものを確実なものとして提示しない

 

何度も質問をして小さなことで悩むことは、OCDの症状に最もよく見られる強迫観念のひとつです。たとえば、OCDに苦しむ従業員は、あるタスクや上司、同僚について心配をしてしまう場合があります。「本当に締め切りに間に合うと思いますか?」それに対して「もちろん大丈夫!」と答えてもらうことが、彼らが一番望んでいることかも知れません。

 

もし答えがイエスなら、締め切りに間に合う可能性がある、とだけにしておきましょう。そうしないと、もし締め切りに間に合わなかった場合に、彼らは自分自身への攻撃性を発したり過度に疑念を持ったりなど、極端な結果に対処せざるを得なくなってしまいます。

 

彼らの悩みについて分かった顔をしない

 

私たちは皆、お互いにつながりを持ち、理解し合いたいという衝動を持っているものです。つまり人間は社会的存在であり、協力し合える能力があるからこそ食物連鎖のトップに位置しているのです。けれどたとえば同僚に彼らが抱えている強迫観念について打ち明けられた時に、「私も強迫観念がひどくて、写真立てをまっすぐにできないんです」と言ったところで何の助けにもなりませんね。

 

OCDの強迫観念の多くが恥ずかしく、ストレスが多いと考えられているもので、人によってはタブーでさえあります。そうしたものを表面的なステレオタイプと同一視しようとすると多くの弊害をもたらしかねません。相手の果てしないほどの苦しみや悩みを軽んじているようにとらえられるかも知れません。

 

まとめ

 

私たちは今、生活のあらゆるベクトルにおいて、インクルージョンを求められる社会的状況に生きています。人種、宗教、性別、性的指向など、様々な問題がメディアで取り上げられています。けれどメンタルヘルスの問題は多岐に渡るため、特定の問題だけに絞ることは困難なことです。したがって、雇用主やそうした指導的立場にいる人たちは、自分たちの職場をオールインクルーシブにするための積極的な措置を講じることが求められているのです。今日お話ししたヒントと対策法から、あなたの仕事場をOCDフレンドリーな場所にすることがどれほど簡単なことかがお分かりいただけたと思います。世界は多様性に満ちています。私たちには、すべての人々を受けいれようとする積極的な姿勢が必要なのです。

 

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